筆者 あおい
8月29日は国連が定める核実験に反対する国際デーです。
1945年に核実験が始まって以来約2000回もの核実験が行われ、1991年8月29日にカザフスタン共和国にあるセミパラチンスク核実験場が閉鎖されたことを記念して、2009年12月2日の第64回国連総会にて8月29日は「核実験反対国際デー」と決まりました。2010年の第一回目の記念日以降、シンポジウムなどが世界各地で行われています。
このように様々な取り組みが行われている一方で、1996年に国連総会にて採択された*CTBT(包括的核実験禁止条約)は今もなお発効されていません。この条約は、先進的な新型核兵器の開発を抑制することで、軍拡競争にブレーキをかけています。また、核不拡散の公約に反して核兵器を開発・製造し、その後に獲得しようとする可能性のある国家に対する強力な規範的バリアとしても機能しています。
今年、核兵器禁止条約が正式に発効されましたがそれまでの道のりと歴史について書きたいと思います。
2018年
2月5日
米国とロシア連邦は、戦略的攻撃兵器のさらなる削減と制限のための措置に関する条約の中央制限値を満たした
2月15~16日
*FMCT(核兵器用分裂性物質生産禁止条約)ハイレベル専門家会合準備グループの第2回非公式協議会がニューヨークで開催された
4月23日~5月4日
2020年核不拡散条約再検討会議準備委員会の第2回会合がジュネーブで開催された
5月8日
米国が、イランの核開発に関する合意である*JCPOA(包括的共同行動プログラム)から離脱する意向を表明
5月28日~6月8日
FMCTハイレベル専門家会合準備グループの最終会合がジュネーブで開催された
6月12日
朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国の首脳会談がシンガポールで開催された
7月1日
核兵器不拡散条約署名開始50周年を迎える
7月7日
核兵器禁止条約採択1周年を迎える
10月20日
米国が中距離核戦力全廃条約からの離脱を表明
2019年
2月1日
米国が中距離核戦力全廃条約の遵守を停止すると発表2月2日ロシア連邦が中距離核戦力全廃条約を中断
5月8日
イラン・イスラム共和国が、包括的共同行動プログラムの一部の条項に今後は関わらない意向を表明
6月30日
朝鮮民主主義人民共和国と米国の首脳間団が朝鮮非武装地帯で開催された
2020年
1月14日
E3(フランス,ドイツ,イギリス)はイラン・イスラム共和国が包括的共同行動プログラム(JCPOA)の下での核関連の約束を段階的に撤回している問題をJCPOAの合同委員会に付託し、同協定の紛争解決メカニズムを発動した
7月2日
イラン・イスラム共和国は、E3との実施問題をJCPOAの紛争解決メカニズムを発動してJCPOAの合同委員会に付託した
10月24日
核兵器禁止条約の50番目の批准書を国連に寄託
2021年
1月22日
核兵器禁止条約が正式に発効
2月3日
戦略的攻撃兵器のさらなる削減と制限のための措置に関する米国とロシア連邦との間の条約が、さらに5年延長され、2026年2月4日までとなった
私は、平和大使のサポーターという立場でこの活動に関わっていますが一人の高校生として、核実験がどれだけの人に影響を与えているのかについてもっと多くの人に自分事としてとらえてもらえるようにもっと発信していきたいと思います。
見ていただきありがとうございました。
用語解説
CTBT:宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発及び他の 核爆発を禁止する。
FMCT:核兵器用の核分裂性物質(高濃縮ウラン,プルトニウム等)の生産を禁止することにより 核兵器の数量増加を止めること。
JCPOA:イランの核関連活動に制限を課し、IAEAによる監視により、それが平和目的であることを確保し、また、これまでに課された制裁を解除していく手順を詳細に明記したもの。
写真:The Official CTBTO Photostream
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